海外勤務や海外転職に必要な語学力を上達させるスピード勉強法

語学力とはそもそも何を指すのか

ビジネスにおいても、今は最低でも英語ができなければ選べる仕事の数が少なくなってしまいます。今後内需だけでなく、海外展開する職種はすべて、共通言語である英語くらいはマスターしておいた方が良いでしょう。

外国語が得意な人、そうでない人の差はどこから生まれるのかを把握し、その上で自分の語学力を向上させて、仕事に生かすべきです。

語学力とは語彙力でもある

語学に堪能な人というのは、頭の中に様々な引き出しがあって、語彙力や表現力の豊かな人だと言えます。日本語は曖昧であるという話はよく耳にするかと思いますが、主語がないという点も厄介です。主語を省いても、動詞の格変化により、誰が誰に向けて話しているかが明瞭なスラブ諸語とは違い、日本語は格変化がありません。ですので、文脈から推測しながら会話を進めているのです。私たちはそれを平然とやっておりますが、逆に日本語を学んでいる外国人には分かりにくいようです。

また、これは日本人が英語などに書類を訳す場合にも苦労する点です。曖昧な部分を無理やり主語を作って翻訳するわけですので、様々な文法が頭に入っていないと意味が全く違ってしまいます。ですから、語学力というのはすなわち「言い換えができる」ということであります。母国語である日本語でも、似たような表現に言い換えできないかどうかを考えてみた場合、語彙力や表現力が豊かな人は沢山思いつくでしょう。

外国語の運用能力は決して母国語を上回ることがないと言われています。たとえ国際結婚をした夫婦間に生まれたとしても、どちらかの言語が優位になります。

外国語を学ぶ為とはいえ、今から日本語の運用能力を底上げするのは、忙しいビジネスパーソンには難しいでしょう。では、実際に海外で働く際に必要な語学スキルや、語学力アップのコツを紹介いたします。





海外就職を目指す人へ

海外で働くというのは、大きく分けて2種類あります。日本の企業や外資系企業に主食して、駐在員として派遣されるパターンと、現地採用という枠で働くものです。駐在員は日本の本社に籍を置いたまま海外へ派遣されるのに対して、現地採用とは、現地法人に直接雇用され、お給料をその現地通貨で貰いながら働くスタイルです。

駐在員は行きたくても行きたくなくても、会社が辞令を出したら赴かなければなりませんが、現地採用は自らの意思で就労を決められます。もちろんお給料や待遇の差は歴然としていますが、「どうしても海外で働いてみたい」という方は現地採用の枠を狙うとかなりの求人が出ているので働くことも夢ではありません。ここでは主に、現地採用として海外で働く際に、どのような語学スキルが要求されるのか、また語学力を急上昇させ、生活や就労に支障がないようにするための秘訣を記したいと思います。

1.現地採用として働く際に求められる語学力とは

現地採用では、沢山の日系企業が求人を出しています。営業職や生産管理などが多いですし、大半の場合上司は日本から派遣されてきた駐在員の日本人であります。面接は直接現地で行うこともありますし、スカイプなどを使って国際通話しながら面談を進めることもあります。場合によっては外国人の現地人上司なども交えて、英語での受け答えを要求される場合もあります。

大半の企業では、公用語として社内外でも英語を使用しておりますので、ここでは英語を前提に話を進めようと思います。

日系企業では、主に担当する顧客は日系企業のことが多いですが、その取引先のマネージャーや幹部候補生の方は、現地人であることも多いです。日本語を使用するのは、実際に自社で上司と話す場合や、取引先の社長や、ジェネラルマネージャーレベルの日本人のみです。ですので、社内では英語を公用語としてメールでのやり取りや会議を遂行できないといけません。だいたいの目安として、TOEICスコアが700点から800点あると望ましいとされていますが、あまりTOEICのスコアにとらわれない方が良いと言えます。

というのも、TOEICの試験では、筆記とリスニングの試験はありますが、スピーキングのテストがありません。実際に海外で働く際に最も重要なのはリスニングと同じくらいのスピーキングの能力だからです。会議で何を言っているのかさっぱり分からない、また何を話せば良いのかも分からない状態ですと、仕事になりません。では、実際に海外に言って働くためにはどのような準備をして、語学力をアップさせれば良いのでしょうか。

2.スケジュール管理と勉強法

海外転職をしようと考えているけれども、今の語学力では不安がある方はどんな学習法をすればいいのでしょうか。全く海外で働いた経験がなくても、きちんとスケジュールを立てながら勉強すれば、効率的に語学力がアップします。ここでも英語を前提として話を進めていきます。

まず、面接で英語面接が課されるかもしれません。自己紹介や自分のアピールポイントというのは、日本語でもなかなか突っ込まれた質問をされると戸惑ってしまうものです。まずは日本語にて、単語レベルで良いので、自分の長所や転職したい理由を羅列してみます。

必要なのは5W1Hです。なぜ海外で働きたいのか、いつを目処に就業できそうかなど、質問されるであろうことを想定して書いてみます。それらをまず、単語のまま英語に直します。英語力を高めたいという理由があれば、それに対して「なぜ高めたいのか」という答えを用意しておくのです。その理由を英語の場合、becauseで書き始めるといいでしょう。

英語だけに限りませんが、語学力を向上させるには毎日一言でもいいので「もし自分が英語で仕事をすることになったら」という想定のもと、0分を作ってみるのも良い方法です。ビジネス英単語でよく出てくる単語を1日に5つでもいいので、覚えるようにし、それらを組み合わせて文章を作ります。

例えば、quotation(見積書) competitor(競争相手、ライバル会社など)、for your reference(ご参考までに、時にFYRと略されることもある)、As soon as possible(できるだけ早く、ASAPと略される場合もある) inquiry(懸念、ご質問)という単語を覚えるとします。

これらはメールで頻繁に出てきますし、すぐにレスポンスしなければならない場合も多くあるので慣れていかねばなりなりません。この単語を使って、どのようなメールを書くことができるでしょうか。上司やチームに、自分の作成した見積書をチェックしてもらうというシチュエーションを想定して例文を書いてみます。

社内用英文レター例
Title: ASAP! Quotation for our client.
Dear Sales team.
Good morning everyone.
Yesterday, I got information that our competitor XX(会社名) already submitted new quotation to our client.
I made new quotation and attached this e-mail.
Please find kindly attached pdf file.
If you have any inquiry, please let me know within today.

それでは、日本語ではどのような内容でしょうか。実際のメールと同じように書いてみます。

タイトル:至急!顧客への見積書に関して
営業チームの皆様へ
おはようございます。昨日、競合のXX社が、我々の顧客に対して新しい見積書を出したという情報を得ました。
私が作成した見積書をpdf形式にて添付いたしましたので、ご確認ください。
もし何か、不明な点などがあれば、今日中に私までご連絡ください。

この文章は間接代名詞などを多用していませんし、とても簡素だと思います。現実に、英語でやり取りをする際は、日本の高等学校や大学で習うような厳しい文法の規則はあまり重視されていません。どちらかといえば、いつ、どのように、誰が何をしたかが明確であれば良いのです。過去完了形などを使う機会はほぼないと言えます。このようなシンプルな例文をいくつも作っていくことで、実際のビジネスに即した英語力が身につくのです。

3.海外転職の為の効果的勉強法

要点をまとめると、以下のことをやるだけでもぐっと英語力が上がりますし、実際に現地に行ってからも英語の聞き取りやスピーキングの能力が向上します。語学の習得はゴールがありませんので、常に地道に語彙力を増やしていくことが大切です。

  • TOEICのスコアよりも単語の語彙数を増やすことに専念する。
  • インターネットやビジネス英会話でよく出てくる単語をもとに毎日例文を作ってみる
  • 知らないビジネスをすぐ調べる癖をつける
    (Duly notedでかしこまりましたの意味などは、なかなか日本にいると使いません)
  • 例文を作る際はどんなシチュエーションで書くか想定する
  • 転職希望の会社で英語が話せるように常に5W1Hを頭に入れて「質問への答え」を用意できるように準備する
    (because, so that, I think that, To+不定詞から始まる文章などは多用するので口に出して慣れること)

その会社に転職したとしてどうなりたいかを明確にし、細かい目標を設定するとモチベーションも続くでしょう。がむしゃらに単語帳やTOEICのテキストをこなしていても、いざ実践の場で使えなければ意味がありません。あくまでこうしたテキストは補助として使用し、最初の2週間でビジネスレターを読めるようになること、1ヶ月でビジネスレターの受け答えができるように、自分からメールを発信できるようになることなど決めてみるといいと思います。

突然の海外勤務を言われたけれど、語学力に不安のある方へ

特に自分から希望して海外勤務を望んでいなくとも、適任者として相応わしいと会社が判断すれば、駐在員などの形で怪外勤務になることもあります。海外勤務に選ばれる基準は、たまたまそのポストに欠員が出た、若手の幹部候補生を育てるといった意味合いもありますので、語学力はほぼ関係なく決まります。実際に海外で働いてみると、駐在員の全てが語学に堪能なわけでないことが分かります。

なぜ自分が選ばれてしまったのだろうという気持ちもあるかもしれませんが、海外勤務は永遠に続くものではなく、おおよそ3年から5年ほどと言われています。いったん帰国して、また違う国へ派遣されることもありますが、日本の本社に籍を残しておけるのでバックアップがある点が魅力とも取れます。

さて、海外勤務を命じられたけれども、あまり語学が得意でなく不安な方はどんな勉強法をしていけばいいのでしょうか。短期間で語学というものは身につくのでしょうか。ここでは、今すぐにでも必要な語学力を向上させるコツを記したいと思います。

1.英語が社内公用語であることが多い

東南アジアであろうと、ヨーロッパであろうと、だいたいの現地法人では社内公用語を英語と定めています。もちろん、会社によっては現地語のレッスンを受けさせて派遣させることもありますが、かかるコストや時間、また取引先の方々の国籍も様々ですので、原則として社内でも取引先の方とのやり取りでも、英語を基準としているケースが大半です。もちろん現地語ができるに越したことはありませんが、誰でも理解できるように、会議やメール、議事録などはすべて英語に統一されていると考えてください。

英語といっても、もう大学の授業以来まともにやっていないという方もいるでしょう。文法的なことに関して言えば、高校英語の文法が一番難しいとも言えます。文法もめちゃくちゃになってしまう、まず単語が思い出せないという方は、書店などに売っている「1からやり直す高校英語」など初歩的な文法書を一冊選んでみるといいでしょう。

あまりに分厚くて量の多いもの、受験生向けのものよりも、大人になって英語を再開したいと思っている方向けのテキストを選ぶといいです。最初から全てを復習しようとすると、時間も足りませんしやる気もそがれてしまいます。英語での挨拶の仕方、ビジネス用語、シーン別会話集などが載っているテキストがオススメです。

それらを元にして、文法の復習をすることが大切です。また、自社製品や業務内容に関連した単語のみをピックアップして覚えていくことで無駄が省けます。全く関係のない業界でしか使わない単語を覚えても、使う機会がないので無駄でもあります。実際に働いてみるとわかると思いますが、現地で働いている日本人スタッフでもわからない単語が出てきたら、電子辞書やインターネット、アプリなどでその都度調べています。日本語ですら、我々が全ての語彙について詳しいわけではないのと同じだと考えると、少しは気が楽になるでしょう。

ここでも上記の「海外就職を目指す人向け」に書いたように、毎日1つでもいいので自分で例文を作ってみることで頭の中に定着していきます。例として、どのようなものがあるでしょうか。生命保険会社に勤めている会社員という設定で、以下の単語を使って例文を考えてみます。出てくる単語として、insurance(保険)、 expire date(期限日)、quotation(見積書) announce(ご案内) tax included(税込み)を使って上記のようにメールを書いてみますが、お客様に見積書を出すという前提でやってみましょう。XXさんにYYさんが更新のご案内のメールを出すという例文です。

Title: Announce [Expire date coming next month]
Dear Mr.(Ms.) XX
Good morning. Thank you for your patronage.
Your health insurance will be expired on end of next month.
I attached updated quotation. Please kindly find attached file and,
after confirmation, please send me with your signature on last page.
Insurance fee on this quotation is tax included.
If you have any inquiry, please feel free to ask us.
Thank you and best regards,
YY

見慣れない表現があるかもしれないので、日本語にしてみました。

タイトル:お知らせ【保険の期日が来月となっています】
おはようございます。
いつもご愛顧頂き、まことにありがとうございます。
XXさまの生命保険の期日が来月末となっております。
新しい見積書を添付いたしましたので、ご査収ご確認くださいませ。
また、最終ページにご署名いただき返信頂けますでしょうか。
見積書記載の保険料は税込み表示でございます。
もし何かご不明な点などございましたら、いつでもお気軽にご連絡くださいませ。
YY(名前、会社名)

 

こうして日本語でみると、とても難解な単語を使っているようには見えません。しかし、英語でのビジネスレターで特有の言い回しがいくつか見られます。

Pleas find attached fileで「添付のものをご査収くださいませ」という表現や、Please feel free to ask us if you have any inquiry(Ifが先に来ても可能)で「もしなにかご不明な点がございましたら、いつでもご連絡ください」という意味になります。これらも単語レベルでみると、そう難しい単語を使っているわけではないということがわかるでしょう。しかし、こうした一種の定型文は日本語のみでビジネスをしている限り、使うことのないものなので、何を示しているのか分かりづらいかもしれません。

定型文としての言い回しは1日に何十件も来るメールへの返信で多用しますので、ひとつながりとして覚えるといいでしょう。単語そのものを丸暗記するという方法では、いつどのような場所で使うべきなのかイメージがしにくいかと思います。ですので、メールや会議などで多用されるフレーズは諳んじて言えるようにしておくだけでも「英語ができる人」に近づきます。

また、今はTEDなどを使用することによって、様々な方の英語でのスピーチを無料で聴くこともできる時代です。人間が言語を習得するのに必要なのは、いかにその音に慣れているかでもありますので、最初は流し聴きでもいいですから、英語をひたすら聞いて音に浸ることも重要です。特に英語がネイティヴでない者同士の英会話は非情に聞き取りづらい場合があります。

フィリピンは小学校より英語で国語以外の科目を習いますので、国民の大半が英語と現地語のバイリンガルかマルチリンガルであります。彼らはしょっちゅう敬称として、Sirや Ma’am(Madamの省略形)をつけます。これはアメリカによる植民地時代の名残でもあり、Mr.やMs.の代わりに使用されることが多いです。また、語尾にpoをつけることでvery muchの意味になったりしますし、敬語的な表現となりますので、慣れていないと、せっかく英語を勉強したのに、最後の方がまるで聞き取れないと感じるかもしれません。しかしこれらも時が経つにつれて慣れていくものですので、まずはベーシックなアメリカ英語の復習をするといいでしょう。

2.英語以外の言語を習得するのは難しいのか

それでは、英語以外の言語を新しく学ぶ場合はどうなのかを考えていきたいと思います。英語ですら悪戦苦闘していたのに、第二外国語なんて大学での単位をやっとの思いで取ったレベルだという方もおられるかもしれません。

しかし、人間は必要に迫られれば、新しい言語でも覚えられるものです。それも、楽しみながら勉強すれば「無理やり詰め込んでいる」という感覚がなく、ゲーム感覚で身につけていくことができます。

では、もし中国語圏に派遣された場合、少しでも中国語ができないと仕事に支障をきたす場合はどうなるでしょう。文字からして違いますので、また漢字と言って、日本語の漢字とは違う「簡体字」(中華人民共和国、シンガポールなどで使用)、「繁体字(正体字とも。マカオ、香港、台湾で使用される)というものを1から学んで文法も覚えなければならないのです。

なんて憂鬱なんだろうと思われるかもしれませんが、実は不規則な発音や接続詞が不要となる場合がる英語よりも規則性があり、ダラダラと中学校から習っていた英語よりも得意になる可能性もあります。

また、英語がある程度できる方は特に中国語は習得しやすい言語です。声調と言って、漢字一つずつに音の上げ下げがあるので、発音を間違えると全く通じない言語でもありますが、文法はとてもシンプルです。現在完了や過去完了の概念がほとんどありませんし、自制の一致という面倒なものもありません。

ですので、逆に英語がとても堪能な方は文法で初歩的な疑問を抱くかもしれませんが「英語の場合はこうであるが、中国語の場合はこれだ」とノートに併記するといいでしょう。私は中国語とセルビア語を学んでおりますが、今までやってきた英語やロシア語と併記しています。

例えば仕事において、中国語がまだあまりできないので英語での返信を願う場合はどう書くのでしょうか。英語と比較してみましょう。

中国語:因為我的中文?得還不好,所以請給我用英文回信。對不起麻煩?。
英語:Because I cannot understand Chinese. So, please reply me in English. Sorry for your inconvenience.

さて、全く中国語がわからない初心者の方でも、覚えやすい秘訣はどこでしょう。

中国語で「なぜなら?なので、?である」という文章は因為(この後に理由)所以(この後に状態、状況)を書けばいいのです。英語で言うところのBecauseの後に理由を入れ、Soの後に「ですので」から始まる文章を書いてるのと同じです。英語と比べてみると、SVOCの成り立ちがほとんど一緒です。

違う点は、例えば「英語でお願いします」は英語の場合in Englishが一番後に来ますが、中国語では用英文(英語を用いて)が回信(返信)の前に来ています。こうした違いはありますが、その違いのみを覚えていけばいいので、全く1から違う言語をやると言っても土壌がないわけではありません。「英語ではこういうけれども。中国語ではこの語順である」という相違点を見つけて覚えるようにし、ノートに併記しておくことで、英語も忘れませんし一石二鳥です。

また、すでに習得している言語と併記することで、母国語、第一外国語、第二外国語と枝分かれのように単語や文章が繋がっていくのです。全く知らない言語を始める際は、こうして同じ点と相違点を連携させるようにして覚えるといいでしょう。

また、語学スクールに通うという手もありますが、ここでレッスンを最大限に有効活用しなければ意味がありません。語学スクールでは、ビジネスマン向けの短期特訓クラスを設けているところもあります。マンツーマンで教えてもらえるレッスンを選ぶ方が、割高であっても有意義です。

なぜなら、クラスレッスンの場合、どうしても生徒によって習熟度や熱意のバラつきが生まれてしまいます。今すぐにでも語学を身につけなければいけない人にとって、やる気のない方がいることはモチベーションが下がることにもなりますし、せっかく予習してきたのにそこまで進まなかったりします。少し高くても、個人レッスンを受けるようにしましょう。

しかし、個人レッスンをただ受講していればいいというわけではありません。予習復習はもちろんですが、テキストに書いてあることだけをやればいいのではないのです。ビジネスにおいて必要なのですから、毎回お題を持っていくといいでしょう。「今日はこのフレーズを言えるようになりたいのですが、この文法であっているのでしょうか」とった風に、講師の方に自分で書いた文章を見せてみてください。

書く際は、辞書を使っても、インターネットで調べてもいいのです。語学を上達させる近道は「自分で調べること」にあります。翻訳機能を使っていて、ニュアンスのおかしい部分はネイティヴの先生が直してくれます。そうして前もって「今日の課題」をクリアできればあとは復習するだけです。この時、授業中は自分さえ読めればどんなに字が汚くてもいいので、言われたことや、それでもわかりづらい点はすべてメモをすべきです。ルーズリーフでもなんでも良いので、とにかくメモしておきます。

そして、帰宅したら2日以内にその日のレッスン内容を清書します。語学は楽器やスポーツと同じく、やらなければ鈍ってしまいますので、なるべく早くに復習することで忘れにくくなるのです。なぜここを疑問に思ったのかなど、後から見返しても意味がわかるように、できるだけ早く書いておくことが重要です。

清書の際は、ノートの左側に3から4センチほどの枠を縦に定規で引いておきます。左側に日本語、右側に習っている言語を書くというルールを決め、その左側のスペースには間違ったところを例文とともに記すなどの活用法があります。ロシア語でこのスペースのことをポーレといい、ロシアで売られているノートにはそのような枠線があります。これは、ノートを提出した際に、教師がノートチェックをしつつ間違いやコメントをその左側の欄に記入するために設けられたと言われています。

こうした工夫を取り入れて、講師に注意された点を同じように自分で左側の「ポーレ」に記入してもいいと思います。良いと思ったノートの取り方は、積極的に真似していきましょう。また、ペンの色で工夫することも良いと思います。学生時代にやたらとマーカーを引いていた記憶はないでしょうか。

実際にどこが重要なのか、わかりにくくなってしまいますので、1番大切な定型文にはピンク、例外は青など色ごとにルールを決めてマーカーを引いてみてください。そうすることで、テキストを見返したときに、何が一番重要なのかが一目瞭然だと思います。

自分でノートをまとめる際も同様に、赤いペンは自分で考えた文章、青いペンは、講師に注意された部分など分けておくと、自分の苦手としていた部分や、復習を要するところがパッと見て分かります。忙しいビジネスマンにとって、効率よく学習するためにはこうした工夫も大切なのです。

 

最後に

今回は、私の経験からビジネスに役立つ語学の勉強法、上達法を書かせていただきました。外国語の勉強というと、ひたすら単語の書き取りをしながら暗唱していた記憶があるかもしれませんが、上達させるためにはそうしたことは不要です。

むしろ、スピーキングとリスニングの力を高めるためには、毎日独り言でもいいので「言ってみたい台詞」を発見するくらい楽しんでみることです。テキストの中で「これは使えそうだな」と思う台詞が出てきたら、そのスキットを何度も暗唱し、単語ではなく「定型文」として覚えるといいでしょう。

案外、独り言でもいいので口にしてみることで言葉というものは覚えられるものです。綴りなどは後からでも辞書を引けますし、今は自動修正機能がありますので、たいして問題ではないともいえます。「こんな質問がきたら、どう答えるか」を日本語ではなく英語や、その他必要とされている外国語で、そのまま書いてみてください。

そして、その答えも全て外国語で答えるのです。決して一旦日本語に置き換えないことが大切です。一旦日本語に置き換えてしまうと、またそこから外国語へと脳を切り替えねばなりません。マルチリンガルと俗に言われる方の頭の中は、いくつもスイッチがあり、臨機応変にそれらを入れたり消したりしています。

むしろ、スイッチを入れっぱなしにして、回路をぐるぐると巡っているといった方が早いかもしれません。外国語のスイッチを入れたら、日本語でメモをしないなどのマイルールを設定するだけでも、どんどんと英語が書けるようになります。実際に転職してみて、全て英語での会議をしていると、日本語でメモを取るのが逆に難しくなってくることがあります。

耳で聞いている音や会話内容を、そのまま日本語に置き換えることができないからです。日本語にしかない表現があるように、英語にしかない表現などもたくさんあります。それらを無理やり母国語に置き換えようとすると、手間もかかりますし、それを見てまた議事録を英語で書くとなると大変面倒くさいと感じられるでしょう。

海外で働くための一歩として、まずは毎日少しでもいいので「語学に浸る時間」を作ってみてください。このアドバイスがお役に立てれば、何より光栄です。