下地から壁塗りまで自宅の内装をDIYでセルフリノベーションする方法

内装をDIY

築40年の中古住宅を購入して10年。あちこち傷み始めた一軒家を、W受験の子を抱えた夫婦がわずかな予算でセルフリノベーションにチャレンジ。内装を下地から壁塗りまで全部自分でやってみたDIY体験記です。

    目次
  • 1. どんどん高くなる見積りにガク然 
  • 2. 悩んだ末に壁の内装すべてDIY!! 
  • 3. 工務店の反対を押し切って決行!
  • 4. 珪藻土の選び方
  • 5. 下地処理が全作業の8割!?
  • 6. 友達と壁塗りイベント開催!
  • 7. みんなで手形&サイン
  • 8. セルフリノベーションって、大変!?
  • 9. DIYへの目覚め

どんどん高くなる見積りにガク然

内装をDIY

「耐震補強をしっかりしたいし、区の耐震補強の助成金も欲しいし、リビングを1階から2階にうつして、できればロフトも作りたいなぁ…」と、工務店の建築士さんを前に、話せば話すほどふくらむ夢。

では、「第一案と見積りを出してみますね」と、初めて手描きの設計図を見て、こんなにも変わるんだ~と感動し、盛り上がったのもつかの間、見積りは、予算の倍以上! ガク然としました。

プランを変更し、削りに削ったとしても、やはり、大幅に予算オーバー。 すったもんだしながら、プラン修正&見積り見直しを繰り返しているうちに、なんと100万円規模の耐震補強助成金の期限を逃すことに。予算的に八方ふさがりとなりました。


悩んだ末に壁の内装すべてDIY!!

結果的に、リビングは1階のまま、ロフトも、天井の断熱材も、2階のフローリングも(2階はコンパネの床です)、ウォシュレットもぜーんぶやめて、それでも、まだまだ、予算オーバー。

導入機器類のレベルはこれ以上落とせないくらい落とした。もう削るところない…と行き詰まって、ふと見ると、内装は、クロス張りで、クロス代25万円、作業工賃10万円。

もともと私は、壁を珪藻土にしたかったが、一番安いクロス張りでもこの金額なら、珪藻土を塗るなんて、かなり高くなること請け合いで、工務店に言い出すことすらできませんでした。

「もう、削るのはこれしかない! クロス張りではなく、珪藻土を自分たちで塗ろう!」と、決めました。

工務店の反対を押し切って決行!

ところが、「珪藻土を自分たちで塗ります」と、工務店に伝えると、猛反発を受けます。

工務店…「珪藻土を塗るといっても、パテ埋めなどの下地処理が大変で、これを自分たちで全部やるのは無理ですよ。下地処理は職人に頼んで、珪藻土塗りだけにしたらどうですか?」 私…「いや、ぜんぶやります」

工務店…「これだけの作業をやるとなったら、2~3週間はかかるので、仕事ができなくなりますよ」 私…「なんとか、がんばります」

工務店…「家を全部塗るって、天井もあるし、特に階段の吹き抜け部分を塗るのは、素人では無理ですよ」 私…「ジャンルは違いますが、職人の友達がいるので、相談してみます」

工務店…「家族の記念事業的に珪藻土を塗るのならともかく、全面塗るとなると、家のクオリティにも影響するし、私たちがせっかくいい家にしようと思っているのに、仕上がりが落ちます」 私…「うぅ~。きれいに仕上げられるよう、練習します」

工務店…「設定したスケジュールで仕上げてくださらないと、後の作業工程にも響きます。それが約束できますか?」 私…「なんとしてでも、間に合わせます!」

まるで、最後は、完全に、仕事を受けた職人さんのように圧をかけられる始末。

私…「もう~!! 私たちの家なのだから、自分たちの好きなようにさせてください! 仕上がりが悪くなっても、自分たちの家だから、文句はいいません!」 と、宣言したのでありました。

珪藻土の選び方

やると言ったらやらねばならぬ。珪藻土をいろいろ調べ、結果的に、鎌倉の「ケイソウくん」がよさそうだな、ということで、壁塗り体験に伺いました。

ここでもやはり、「家を全面塗るのは、大変ですよ~」的な話が始まったので、「もう、工務店からさんざん止められて、でも、やると決めたんです」と一蹴し、詳しく説明を聞きました。

ケイソウくんの効果が体験できるスペースがあり、調湿効果だけでなく、消臭、防火、防音、断熱、などを肌で感じることができました。

ケイソウくんは、100%天然素材の珪藻土で安心できる点と、ホームページ掲載で割引など、さまざまな特典があって、購入しやすいな、と感じたことが決め手になりました。

下地処理が全作業の8割!?

大工さんの作業が終わり、ボードむき出しの状態で、さあ、私たちの内装作業期間がスタートです。  まずは、汚したくない床や窓などをマスキングテープやシートで養生します。この養生が、ひたすら時間がかかり、でも最後の最後の仕上がりに大きく影響する作業。手を抜けません。

そして、パテ埋めです。釘やボードの境目など、パテという粘着剤のようなもので埋めて、平面にしていく作業です。それはもう膨大な釘の数を、ひたすらこつこつと埋めていきます。

さらに、ボードの境目や壁の角などに、ファイバーテープを貼り、その上をパテで塗りつけていきます。溝を埋めて平面を作り、角なども強化することで、珪藻土を塗った後に、ひび割れなどを防ぐためにやるようです。

パテ埋めがすべて終わったら、乾いたところに、やすりをかけて、平らにします。  そして、壁全面に、ローラーでアンダーコートを塗ります。珪藻土の接着をよくするためだそうです。

ここまでやるのに、平日仕事終わってからと、休日でほぼ2週間。壁塗りは、本当に最後の作業なんだな、すべては下地が大事なんだな、ほぼ全作業の8割くらいだな、と実感でわかりました。

料理も同じです。段取り、下ごしらえが8割。最後の調理が2割。 壁塗りも、下地処理をやったからこそ、同じ法則がよくわかりました。やっぱり大変だったけど、下地処理からやってよかった、と思えました。大げさですが、ものごとの摂理を体感できました。

工務店も私たちの意図を組んで、ゴールデンウイークを珪藻土塗りにあてられるようにスケジュールを組んでくれました。さて、いよいよ、珪藻土塗りが始まります!

友達と壁塗りイベント開催!

ゴールデンウイークの3日間。親しい友達に声をかけ、壁塗りイベントを開催しました!

なかでも、職人のお友達夫婦は、家の解体前から相談にのってもらい、工事途中の家も下見に来てくれていました。必要な器具などの準備や、難しいと言われていた階段吹き抜け部分をどうやって塗るかなど、念入りに検討してくれました。

四本足の長さがそれぞれ変えられて階段の高い部分まで届くように調整ができる脚立や横移動できるベッドのような脚立を職場から持ってきてくれました。

いよいよ壁塗りスタート。ご近所のご家族も参加して、一斉に壁塗りを始めました。  珪藻土を練るのは、専用攪拌器具を使うので、とても大きな音がします。この練り具合も、水の量や練る時間で珪藻土の調子が全然違います。試行錯誤しながら、ちょうどいいあんばいをみつけていきます。

みんなで手形&サイン

3日間で、壁を塗ってくれた家族の記念に、玄関わきの階段下部分に、手形とサインを入れてもらいました。

それぞれの家族並んでの手形とサインを見ていると、いまこのときがとても貴重なものに思えます。  大人になった子どもたちが、これを笑いながら見る時がくるでしょう。これからもずっと、我が家で一緒に楽しもう!の永久パスポートです。

結果的に、みんなでワイワイガヤガヤやった分、費用的には、かなりの出費になりましたが、それには代えがたいものを得ることができました。

それぞれの壁を見ると、そのときの様子が思い出され、笑いがこみ上げ、家にもさらに愛着がわきました。

セルフリノベーションって、大変!?

 正直、上の子が高3で大学受験、真ん中の子が中3で高校受験の年の、お金が羽をつけて飛んでいく時期にリノベーションをしたので、常に予算とのせめぎあいでした。  家族にとって、大事にしたいものは何かをつねに突き付けられたような気がします。

結果的に、壁を全部塗る、という決断をして、クロス張りを職人さんに依頼した費用とどちらが安かったかと問われれば、おそらくトントンでしょう。

クロスよりも珪藻土が高い分、手間賃を自分たちで補ったといえますし、珪藻土を職人さんに塗ってもらうのは、到底払える金額ではなかったと思います。自分たちで塗るから、本来やりたかった壁にできた。そのためには、友達の力がなくてはできなかった。友達とさらに楽しい時間を過ごすことができた。

自分でやるから大変だけど、自分たちがやるから楽しいこともある。そんなことに気づかせてもらいました。

DIYへの目覚め

私たちが自分でやることになったところは、壁だけではありません。  洗面所のまわりのタイルも、自分たちでタイルメーカーに足を運んでみたり、分厚いカタログを見たりして、気に入ったものを選びました。

いま、タイルはいろんな形があって、さらに目地の色も変えられるので、本当に選ぶのが楽しいです。夫が選んだタイルは、職人さんでも貼るのが難しいタイルだったようで、メーカーの営業マンさんがタイルの切り方貼り方を教えてくれる時間をとってくれました。

わずかな面積しか貼らない個人宅のタイルのために、丁寧に教えてくれるということに驚きましたし、そのような仕事ぶりは大切だなと勉強にもなりました。

夫が苦戦しながら夜な夜な貼ったタイルは、とてもいい仕上がりで、いつも歯を磨くときにすみずみまで眺めています。

あと、家の外壁は、さすがに塗れないので、職人さんに塗ってもらいましたが、庭などの外回りは全く予算外になりました。

建築士さんからは、家の下部分の壁がベロっとはがれた状態になり、仕上がりが違うので、ぜひ庭をコンクリート敷にするところまで予算にいれてほしい、と懇願されましたが、家だけで予算オーバーなので、外は全く手をつけられませんでした。

仕上がってみると、建築士さんのおっしゃる通り、ベロッとなっています。まだ工事途中かな、といった印象です。  これから、玄関まわりから庭まで、土を盛り、タイルを敷いたりと、外回りDIYをやる予定です。

結果的に、家ができあがると、建築士さんが何度も訴えてくれたことは、その通りだったなと思うことがたくさんあります。家のクオリティを重視して、仕事に真摯に取り組むいい建築士さんだったと思います。

その方が、打合せのときにぽろっといった一言が忘れられません。

「家は、いっきに完成しなくていいんですよ。全部出来上がるとやることなくて寂しいものです。徐々にできていく家のほうが、楽しいです」

そうか~、住みながら、作っていく部分を残しておくのもいいんだな、と気づかせてくれた言葉でした。

これから少しずつDIYをして、5年後10年後くらいには、あ~、やっと家できたな、って思うのが楽しみです。